人の暮らしと木々
今年の秋は暖かく、平均より遅れているものの
各所ではそろそろ紅葉が見頃を迎えているようですね。
関東以西でも今月中旬には十分楽しめるのでは、と期待しています。
こんにちは
アーキデザインチームの小林です。
木を見ると、気持ちが落ち着いたり
リラックス効果があるのが自分自身の感覚から分かります。
山登りや森林浴をする時に限らず
木目がそこかしこから目に飛びこんで来るような、純和風住宅に入ったときなどにも
落ち着く空間だと感じたご経験が、皆さまも一度はおありではないでしょうか。
「別に落ち着きなんて感じたことがない」という方、
むしろ「木目調は好きじゃない」、「和室にはなんかいいイメージがない」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、快不快の意識や、好き嫌いにかかわらず
木には見ているだけで脳がリラックスし、血圧を下げる効果があるそうです。
たとえば、節がある木目を見ると、脳の右前頭前野が沈静化し
一方で、節がない木目を見ると、左前頭前野が沈静化するということが明らかになっています。
右脳は、全体を見たり、全体像をイメージすることに対し
左脳は、物事の部分や、詳細を見ることを司るので
木目が目に入ったとき節の有無によってリラックスする脳の部分が違うのは、機能差に関係がありそうだということです。
こんなに明らかに違いが出るとは。不思議ですよね。
ただ節のない木目を見ても、
交感神経活動が抑制され、リラックス効果があるのですが
前頭前野は、考えたり、感情や行動をコントロールしたり、判断したり
記憶し、応用したり、やる気を出したり…といった働きを担う、人が人らしくいるために最も必要な部分です。
そんな毎日フル稼働している部分が、木目を見るだけで落ち着くのですって。
また、木が自身を守るために生み出すフィトンチッドという物質の香りは、
同様に交感神経活動を抑制したり、脳内のα波を増やし自律神経を安定させる効果がありますし
木に触れると、目を閉じた状態でも副交感神経の働きが活発になり
特に無垢材は、たとえばオイル塗装を施した木材などよりも、倍近く高いリラックス効果があるという研究結果も出ています。
見てよし、嗅いでよし、触ってよし。
構造部分に使用でき、仕上げ素材として使えば体にいい影響がある、人と相性のいい素材なのです。
庭に樹木を植えて、四季折々の様子を眺めるのも素敵ですが
長く暮らす家の中を過ごしやすい空間にしたいときにも、木は我々を大いに助けてくれる存在ですね。