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アーキデザインブログ
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和洋折衷

2023.08.06

 

ここのところ、台風6号の進路予想から目が離せないのですが

お盆休みに外出予定が入っている皆さまも、きっと同じ状況なのでは?

 

 

夏は、暑さと台風によるダメージを極力受け流せるように

人も建物も、対策をとりながら現場作業を進めていきます。

 

用意周到な状態で向かい合い

過ぎ去った後、「何もなくてよかったね」と皆で言い合いたいものです。

 

 

こんにちは

アーキデザインチームの小林です。

 

 

台風接近より前、富士屋ホテルと旧御用邸・菊華荘に行ってきました。

箱根にばかり行っているという自覚、有りです。

 

 

外国人向けのホテルとして明治に開業し、

度々建て直しや増築、移設が行われた富士屋ホテル。

 

本館や、西洋館は

唐破風の玄関を持つ木造洋風建築(一部鉄筋コンクリート造)です。

 

 

一見すると、擬洋風建築に対して感じるものに近い印象を受けるのですが

実際は、洋風のデザインを基調にして、和風の意匠を入れ込んでいくという作りで

どちらかというと「日本風にする」ことを意識された所が目立つようにも見えます。

 

 

鬼瓦の乗る屋根部分には、彫刻や透彫りを施してあり

内部でも尾長鶏・梅の花・竜などの和風彫刻を見ることができます。

 

 

また、隣りの花御殿は鉄筋コンクリート造なのですが

こちらは唐破風の完全和風な屋根に、洋風の意匠デザインである鳩やバラが彫られています。

 

 

外国人向けの建築を洋風に建てる時代に、

旅先の国である、日本独自の文化に触れられる意匠デザインを加える。

さらに、日本独自の技法の中に、外国の意匠デザインを取り入れる。

 

 

実際に訪れてみると、一言に和洋折衷といっても想像がつかないような

個性的な意匠の建築群だということがよく分かりました。

 

 

向かい側に建っていた老舗旅館「奈良屋」との競合関係、

のちに、日本人専門旅館と外国人専門ホテルとしてのすみ分けを協定で定めたことも含め

どの視点からも、これまで歩んできた長い歴史を感じられる建物でした。

 

 

 

そして、旧御用邸である菊華荘。

 

富士屋ホテルの、和と洋が融合した雰囲気の中で過ごした後に訪れると

なんだかホッとしましたが

リラックスにまで至らないくらいには豪華な建物です。

 

 

同じ町の中でも、所変われば外国人観光客の方々が多く訪れ

そして豊かな自然だけでなく、色々な建築に触れることができる観光地であることを

あらためて感じることになった良い機会でした。

 

この記事を書いたスタッフ

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